TikTokのおすすめ欄に、やたらと「ごめんなさい」「嘘ついてました」と書かれた写真スライドが流れてくる——そんな経験はないだろうか。最初はごく普通の子ども時代の写真なのに、スワイプするたびに何かが消え、何かが現れ、最後に出てくる「本物」で笑ってしまう。これが海外発で広がっているTikTokの「I’m so sorry」トレンドだ。日本のユーザーの間でも真似する人が増えてきている。
TikTokの「I’m so sorry」トレンドとは何か
仕組みはシンプルで、AIで“盛った”写真から始めて、加工を1つずつ剥がしていき、最後に無加工の元写真を見せるというもの。通常のビフォーアフターとは逆方向に進むのがポイントだ。
1枚目は髪型も服装も背景も完璧な写真。2枚目で「実は背景は加工しました」、3枚目で「髪もこんなにサラサラじゃなかったです」……と自白が重なり、最後の1枚で現実が突きつけられる。投稿のキャプションは決まって「ごめんなさい」。
題材として選ばれやすいのは次のようなもの。
- 赤ちゃんの頃の写真(想像以上に「人間の新生児」だった系)
- 幼稚園・小学校の卒園アルバムや証明写真
- ハロウィンや学芸会の手作り衣装
- 出産直後の自分の写真
- 恋人との記念写真(そもそも実在しなかったパターンも)
海外では2025年夏頃の投稿が火付け役とされ、再生数は数千万回規模に。BGMにはハリー・スタイルズやプリンスの曲が定番として使われている。日本で投稿するなら、TikTok内で使用できる楽曲から、切なげなバラードや妙に壮大な曲を選ぶと落差が効く。
なぜここまでウケているのか
面白さの正体は「待ち時間」にある。フォーマットを知った瞬間から、視聴者は1枚目を疑いの目で見始める。髪は本物か、背景はどこか、服は当時こんなブランドあったか——と粗探しをしているうちに次のスライドが来る。この“何かが起きると分かっているのに、何が起きるかは分からない”状態が、最後まで指を止めさせる。
もうひとつは、自虐の方向が優しいこと。他人を笑うのではなく、自分の過去を素材にして「自分、こんなでした」と差し出す構造なので、見る側も「うちの卒アルもひどいから安心した」と共感しやすい。コメント欄が妙に温かくなるトレンドでもある。
作り方の手順
難しい編集技術はいらない。順番を逆にして考えるのがコツだ。
1. 最後に見せたい「本物」を決める
オチが弱いと全部が成立しない。手作り感の強すぎる衣装、謎の前髪、妙な表情など、一発で説明不要な“ツッコミどころ”がある写真を選ぶ。
2. AI画像編集ツールで「完成形」を作る
ChatGPTの画像生成・編集機能、Googleの画像編集AI、スマホアプリの生成AI系機能など、使い慣れたもので構わない。髪型を変える、服を今風にする、背景を海外の街並みにするなど、派手に盛る。
3. 加工を1段階ずつ戻した画像を保存する
「背景だけ元に戻した版」「背景と服を戻した版」というように、中間の画像を3〜5枚ほど用意する。枚数が多すぎると離脱されるので、4〜6枚構成が目安。
4. 逆順に並べ、テキストを入れる
TikTokの写真投稿(カルーセル)機能か、動画編集アプリでスライドショーにする。各スライドに「背景は加工です」「髪、盛りました」と1行ずつ自白テキストを乗せ、最後に「本当にごめんなさい」で締める。
古い写真しか残っていない場合は、アルバムの実物をスマホで撮り直すか、フォトスキャナーでデジタル化すると画質が段違いになる。暗い部屋で撮ると反射や色かぶりが出るので、照明の確保も地味に効く。
この記事に関連するおすすめアイテム
フォトスキャナー(写真・アルバムのデジタル化用)
アルバムに眠る幼少期のプリント写真を高画質で取り込める。元データがきれいだとAI編集の仕上がりも安定し、スライドの落差が伝わりやすくなる。
スマホ用スタンドライト(撮影用照明)
プリント写真をスマホで複写するときの反射や影を抑えられる。自撮りの比較写真を撮る場合にも光が均一になり、加工前後の違いが見やすくなる。
スマホ三脚(リモコン付き)
写真を真上から複写する俯瞰撮影や、スライドショーの撮り直しに便利。手ブレがなくなるだけで素材の質が上がり、編集の手間も減る。
楽しむ前に考えたい、写真をAIに渡すリスク
このトレンドで必ず議論になるのがプライバシーだ。参加するには、実在の子ども時代の写真や家族の写真を、外部のAIサービスにアップロードすることになる。
注意しておきたい点を整理する。
- アップロードした画像が保存・学習利用される可能性:サービスや設定によって扱いは異なる。多くのツールには学習利用をオフにする設定があるので、使う前に一度確認したい。
- 公開後は誰でも保存・再加工できる:TikTokに上げた時点でスクリーンショットは防げない。第三者が別のAIでさらに加工することも技術的には容易だ。
- 子どもの顔写真は特に慎重に:国際機関も、実在する子どもの写真が悪質なディープフェイクに加工される問題に警鐘を鳴らしている。自分の幼少期の写真であっても、現在の顔と結び付くことで悪用されるケースは考えられる。
- 自分以外が写っている写真は同意を:きょうだい、友人、親が一緒に写っているなら、投稿前に一声かけるのが無難。集合写真の卒アルは特に注意。
もちろん、このトレンドに参加したからといって必ずトラブルに遭うわけではない。ただ「笑いのために、どこまで個人情報を差し出すか」という天秤は、投稿ボタンを押す前に一度だけ意識しておく価値がある。
リスクを減らしながら参加する工夫
- 顔の一部にスタンプや絵文字を重ねてから投稿する
- 子どもが写る写真ではなく、自分の大人になってからの写真を使う
- AIツール側の「チャット履歴・学習への利用」設定をオフにしてから編集する
- アカウントを非公開にし、フォロワー限定で楽しむ
- そもそも写真を上げず、AIで一から生成した架空の人物でネタを作る
最後の方法は意外と現実的で、「実在しない恋人との2周年記念」という初期のバズ投稿も、まさにそのタイプだった。実写を使わなくても落差は作れる。
よくある質問
どのAIツールを使えばいいですか?
特定のツールの指定はなく、画像の編集・生成ができるものなら何でも成立する。ChatGPTの画像機能やスマホの写真編集アプリに搭載された生成AI機能が手軽。使う前に、アップロード画像の取り扱いと学習利用の設定を確認しておくと安心だ。
スライドは何枚くらいが見やすいですか?
4〜6枚が目安。加工を1枚につき1つだけ剥がしていくと、視聴者が変化を追いやすい。1枚に複数の変更を詰め込むと、何が変わったか伝わらず失速しやすい。
古いプリント写真しか手元にないときは?
アルバムのページをスマホで真上から撮るか、専用のフォトスキャナーでデジタル化する方法がある。照明を当てて影と反射を減らすだけでも、AIでの加工精度が上がる。
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参考: What is TikTok’s Im so sorry trend? The AI photo reveals, explained(Mashable)の内容をもとに、日本の読者向けに独自に構成しています。
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