新品のスマホを開封した瞬間から、ホーム画面に見覚えのないアイコンがずらり。使った記憶もないのにストレージを食い、バックグラウンドで動き続ける——それがプリインストールアプリ(いわゆるブロートウェア)です。
「閉じたiPhone、自由なAndroid」というイメージを持っている人は多いはず。ところが削除のしやすさという一点に絞ると、評価は逆転します。
セキュリティ企業Surfsharkが主要メーカーの端末を調べたところ、iPhoneのほうが消せるプリインストールアプリの割合が高いという結果が出ました。
プリインストールアプリの削除可否、iPhoneとAndroidの差
調査で示された数字を整理すると、傾向はかなりはっきりしています。
- iPhone:最大50本のプリインアプリ。EU圏では48本(96%)が削除可能で、消せないのは「電話」と「設定」のみ。米国でも44本(88%)が削除できる
- Samsung端末:88本と本数が多く、安全に削除できると判定されたのは50本(57%)
- Google Pixel系:71本のうち削除可能は27本(38%)にとどまる
EUはデジタル市場法(DMA)の影響で削除可能範囲が広がっていますが、日本はその対象外。とはいえ日本のiPhoneでも、メール、マップ、ミュージック、計算機、株価といった純正アプリの多くはホーム画面から長押しで削除できます。
日本特有の「キャリア版プリイン」問題
国内でさらに厄介なのが、ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルの販売端末に入るキャリア系アプリ群です。決済、ポイント、動画、ニュース、保証サポート……これらはメーカー標準のプリインに上乗せされるため、実際のアイコン数は調査の数字より多くなりがちです。
メーカー直販(Apple Store、Google ストア、シャープやソニーの直販)やSIMフリーモデルを選ぶと、この上乗せ分を最初から避けられます。端末を選ぶ段階がいちばん確実な対策、というのが実情です。
使っていないアプリが、静かにデータを集めている
平均的なユーザーの端末には60〜90本のアプリが入っている一方、毎日使うのは約10本、1か月でも30本ほど。残りは「置いてあるだけ」です。
問題は、置いてあるだけのアプリが本当に何もしていないとは限らないこと。調査では、プリインアプリ1本あたりが申告するデータ種別の平均は次の通りでした。
- Apple製アプリ:平均8種類(Apple Musicは17種類、App Storeは18種類)
- Google製アプリ:平均13種類(GeminiとGoogleアプリは各29種類)
- Samsung端末のアプリ:平均13種類。FacebookとInstagramがプリインされている構成では、両アプリが38種類中37種類と突出
位置情報、行動履歴、連絡先、購買傾向など、広告のターゲティングや第三者への提供につながりうる情報が含まれます。起動していなくても通知受信や同期のためにバックグラウンドで動くアプリはあり、「使っていない=無害」ではありません。
削除できないアプリへの現実的な対処
Androidで消せないアプリも、放置する必要はありません。
- 無効化:設定 → アプリ → 対象アプリ → 「無効にする」。アイコンが消え、更新もバックグラウンド動作も止まる
- 権限の剥奪:位置情報は「許可しない」、カメラ・マイク・連絡先もオフに。位置情報は「使用中のみ許可」が基本
- 通知と自動起動をオフ:通知経由の復帰を防ぐ
- 広告IDの削除:Androidは設定 → プライバシー → 広告。iPhoneは「トラッキングを許可」をオフ
- バックグラウンドデータ制限:通信量とバッテリーの節約にも効く
無効化してもシステムが参照する共通機能は残るため、多くの場合は動作に支障がありません。心配なら一つずつ無効化し、数日様子を見ると安全です。
そもそも「増やさない」環境づくりも効く
プリインを整理すると、空き容量とバッテリー持ちも改善します。写真や動画をこまめに逃がせる保存先を用意し、画面のぞき見やマルウェア対策まで含めて環境を整えると、消せないアプリが残っていてもリスクは小さくできます。
この記事に関連するおすすめアイテム
のぞき見防止 スマホ用ガラスフィルム
アプリの設定や通知を外で操作する機会は多く、電車やカフェでの画面のぞき見対策はソフト面の設定と並ぶ基本の防御になります。
大容量 microSDカード
プリインアプリで圧迫されがちな本体ストレージを逃がせます。対応Android端末なら写真や動画の移動だけで空き容量を確保できます。
スマホ向けセキュリティソフト(ダウンロード版)
権限の見直しだけでは防げない不正アプリやフィッシング対策を補えます。複数台ライセンスなら家族の端末もまとめて管理できます。
よくある質問
プリインストールアプリを消すと保証やアップデートに影響しますか?
メーカーが用意した通常の削除・無効化操作であれば、保証やOSアップデートに影響しません。影響が出るのはroot化やカスタムROM導入など端末を改造した場合です。
削除したiPhoneの純正アプリは元に戻せますか?
App Storeで同名のアプリを検索して再インストールすれば復元できます。Androidで無効化したアプリも、設定のアプリ一覧から「有効にする」で戻せます。
結局、プライバシー重視ならiPhoneとAndroidどちらですか?
削除可能な割合だけを見ればiPhoneが有利ですが、Androidでも無効化と権限管理を徹底すれば収集範囲はかなり絞れます。端末の種類より、購入後に設定を見直すかどうかの差が大きいと考えてください。
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参考: iPhone vs. Android on privacy-invasive bloatware: Which lets users remove pre-installed apps?(Mashable)の内容をもとに、日本の読者向けに独自に構成しています。
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