速度違反カメラが世界で増えている——日本も他人事ではない

通勤路にいつの間にか三脚付きの機材が置かれていた。見慣れない白い箱が電柱に付いていた——そんな経験はないだろうか。速度違反カメラ(オービス)は今、世界的に増加局面にある。背景にあるのは「人手に頼った取り締まりでは、危ない道路をカバーしきれない」という単純な事情だ。

米ロサンゼルスでは、市内の危険な交差点やスクールゾーン、いわゆる走り屋が集まる区間など約20か所にカメラが設置され、運用が始まった。年末までには125か所規模に拡大する計画だという。背景には深刻な数字がある。人口約400万人の同市では、交通事故による死者が年間およそ300人にのぼり、殺人事件の件数を上回っているとされる。

ロサンゼルスの運用から見える「設計思想」

いきなり反則金ではなく、まず警告

注目したいのは導入の進め方だ。稼働開始から60日間は、制限速度を時速11マイル(約18km/h)以上超えたドライバーに対して、郵送で「警告」が届くだけ。その後に初めて50〜500ドル相当の反則金が科される仕組みになっている。いきなり罰するのではなく、まず「ここは測っていますよ」と認知させて行動を変えさせる狙いが明確だ。

効果は数字で裏付けられつつある

先行して導入したサンフランシスコでは、速度超過が大幅に減ったと報告されている。ロサンゼルス市交通局も、設置箇所の死亡事故を半分以下に減らせると見込む。一方で、近隣のマリビューでは海沿いの幹線道路で試験運用したところ、わずか9日間で約10万件もの速度超過が記録された。裏を返せば「カメラがなければ、それだけ出ていた」ということでもある。

日本の取り締まりはどう変わっているか

固定式から「移動式オービス」へ

日本でも、かつて主流だった大型の固定式オービスは老朽化で撤去が進み、代わりに可搬型・半可搬型の移動式オービスの配備が各地で増えている。三脚に載せて数分で設置でき、これまで取り締まりが難しかった生活道路や通学路、トンネル内でも運用できるのが特徴だ。「この道はいつも空いているから」という思い込みが通用しなくなってきている。

生活道路の法定速度が30km/hに

さらに大きな変化として、センターラインのない生活道路の法定速度を時速30kmに引き下げる見直しが進められている。歩行者と車が接触した場合、速度が30km/hを超えると致死率が急激に上がるという知見が根拠だ。日本の交通事故死者は年間2,600人台で推移しているが、そのうち歩行中の割合が高いのが特徴で、まさに生活道路対策が課題になっている。

「知らずに超えている」が一番怖い

住宅街の細い道、下り坂、高速の出口直後。いずれも体感速度と実速度がずれやすい場所だ。悪質なスピード違反よりも、むしろ「気づかないうちに10km/h超えていた」というケースのほうが日常的で、そして取り締まりの網にかかりやすい。

罰金を避けるためでなく、事故を起こさないための装備

カメラの位置を覚えてその場だけ減速する、という発想では意味がない。大事なのは、運転中に自分の速度と周囲の状況を常に把握できる状態をつくることだ。純正メーターから視線を落とす回数を減らす、死角の情報を増やす、万一のときに客観的な記録を残す——この3点に投資すると、結果的に速度超過も減りやすい。

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取り締まり地点や制限速度の変化を音声で知らせてくれるため、メーターから目を離さずに済みます。速度を出しすぎやすい区間を意識するきっかけになります。

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加えて、スマホの地図アプリでも制限速度や速度超過の警告を表示できるものがある。設定を一度見直しておくだけでも効果がある。

よくある質問

移動式オービスで撮影されると、その場で止められますか?

運用によって異なり、近くで待機している警察官に停止を求められる場合もあれば、後日通知が届く場合もあります。いずれにせよ記録は残るため、「止められなかったから大丈夫」とは限りません。

レーダー探知機を使うのは違法ではないのですか?

日本では探知機自体の所持・使用を直接禁じる法律はありません。ただし目的は取り締まり回避ではなく、速度に注意を向けるための補助と考えるべきです。

何km/h超過から取り締まりの対象になりますか?

基準は現場や機器の運用によって異なり、公表されていません。超過幅が小さくても違反は違反なので、制限速度内で走るのが唯一確実な方法です。

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参考: With hundreds dying in crashes, LA turns to speed cameras for change(Mashable)の内容をもとに、日本の読者向けに独自に構成しています。

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