ChatGPTに「私がいつも言っている5つのことを挙げて」と打ち込むと、自分でも忘れていた口ぐせがずらりと返ってくる——そんな遊びがSNSで広がっている。

返ってくるのは「もっと自然な日本語にして」「AIっぽくしないで」といった定番の指示だったり、「急いで」「違う、そうじゃない」といった、思わず目を逸らしたくなる一言だったり。スクリーンショットを見比べると、同じAIなのに人によって関係性がまるで違うことが分かるのがおもしろい。

この記事では、このChatGPTのプロンプトの楽しみ方と、実際に試す前に確認しておきたい設定、そして「返ってきた答えがどこまで本当か」という話を整理する。

ChatGPT「私がよく言う5つのこと」プロンプトとは

やることは単純で、普段使っているChatGPTに次のように入力するだけだ。

  • 「これまでの会話をもとに、私がいつも言っている5つのフレーズを挙げて」
  • 「私の口ぐせを5つ、理由つきで教えて」
  • 「私のメッセージの書き方の特徴を5つ指摘して」

過去のやり取りが参照できる状態になっていれば、AIは自分なりに「あなたらしさ」をまとめてくる。ここで笑えるのは、内容そのものより口調まで真似してくることだ。普段から砕けた言葉で話しかけている人には、AIも砕けた調子で返してくる。丁寧語で淡々と使っている人には、返事も事務的になる。

面白さの本体は「口ぐせ」ではなく「関係性」

海外のSNSで拡散したスクリーンショットを見ると、反応は大きく二つに分かれる。

  • 相棒タイプ:「ねえ聞いて」「ありがとう助かった」など、友人に話しかけるような文面
  • 発注タイプ:「違う」「やり直し」「何も変えるなって言ったよね」など、指示が短く強い文面

どちらが正しいという話ではない。ただ、自分の送信履歴を要約されると、仕事のメールやチャットでの自分の書き方まで透けて見えることがある。「指示が短すぎて相手が意図をつかめていないのでは」と気づく人もいるし、逆に「前置きが長すぎる」と反省する人もいる。AI相手のコミュニケーション診断として眺めると、意外と実用的だ。

試す前に確認したい3つの設定

このプロンプトは「過去の会話を参照する機能」が前提になっている。日本語環境でも仕組みは同じだが、設定によっては何も出てこない、あるいは出てきてほしくないものが出てくる。

1. メモリ(パーソナライズ)がオンかどうか

ChatGPTの設定から「パーソナライズ」や「メモリ」の項目を確認する。過去チャットの参照がオフだと、AIは直近のやり取りしか見られないので、「十分な情報がありません」と返ってくる。逆にオンのままなら、何をどこまで覚えているかを一度点検しておきたい。

2. 会社や顧客の情報を入れていないか

日本のビジネス利用で特に気をつけたいのがここ。社内資料や顧客名を貼り付けて要約させた履歴があると、それが「あなたの特徴」の材料になる。スクリーンショットをSNSに投稿する流行なので、画面に取引先名や固有名詞が写り込まないかは必ず確認してから共有したい。勤務先が生成AIの利用ガイドラインを定めている場合は、そちらが優先だ。

3. 共有アカウントになっていないか

家族や同僚と1つのアカウントを使い回していると、他人の口ぐせが混ざって出てくる。結果が妙にちぐはぐなときは、だいたいこれが原因だ。

返ってきた答えは「当たっている」とは限らない

ここが一番大事なところ。AIは「それらしい答え」を作るのが得意なので、履歴をきちんと分析せず、一般的によくある言い回しを並べているだけのケースがある。

以前流行した「自分の似顔絵を描かせる」系のプロンプトでも、AIがヘッドホンやコーヒーカップといった無難な小道具を勝手に足していたことが指摘されている。写真風の加工トレンドでも「顔が似ていない」という声は多かった。当たっているように感じるのは、当たりそうな答えが選ばれているからという面は否定できない。

また、生成AIには利用者を持ち上げすぎる傾向(いわゆる追従的な応答)があることも知られており、開発側はこれを抑える調整を続けている。褒められて気分が良くなるのは自然だが、自己分析の結論として鵜呑みにする必要はない。「そこまで言ってないけど」と思ったら、遠慮なく訂正してみると会話が面白くなる。

もっと楽しむ応用プロンプト

5つの口ぐせだけで終わらせるのはもったいない。日本語でも素直に効くバリエーションを挙げておく。

  • 「私の質問の仕方のクセを3つ、改善案つきで指摘して」
  • 「私がよく相談するテーマを多い順に5つ挙げて」
  • 「私の文章をビジネスメール向けに直すとしたら、どこを直す?」
  • 「私の依頼で、あなたが一番やりにくかった指示は?」

最後のひとつは特におすすめで、曖昧な指示の出し方が可視化される。プロンプトの精度を上げたい人には、流行りの遊びがそのまま実用テクニックになる。

ちなみに、こうしたAIとのやり取りを音声入力でこなす人も増えている。スマホに向かって話しかけるだけで入力できるので、口ぐせがさらに素直に出る。デスク環境を整えておくと、長い会話も億劫にならない。

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流行の裏にある、ちょっと真面目な話

「AIを親友と呼ぶ人」と「AIに暴言を吐く人」が同じサービスを使っている。この落差こそ、今回のトレンドが可視化したものだ。

日本でも、学習相談や悩みの壁打ちにチャットAIを使う人は確実に増えている。便利な一方で、AIは記憶を持ち、入力した内容はサービス側の仕組みの中で扱われる。親しみを持って使うこと自体は悪くないが、相手は友人ではなくサービスであるという前提は忘れないほうがいい。

逆に、強い言葉で命令しても出力が良くなるわけではない。短く雑な指示より、前提と目的を書いたほうが結果は安定する。口ぐせを並べられて「自分、けっこう命令口調だな」と気づけたなら、それだけでこの遊びをやった価値はある。

よくある質問

「十分な情報がありません」と返ってくるのはなぜ?

過去の会話を参照する設定がオフになっているか、履歴がほとんどない状態の可能性が高い。設定のパーソナライズ項目を確認し、それでも難しい場合は同じチャット内で何度かやり取りしてから試すと答えが返ってきやすくなる。

結果をSNSに投稿しても大丈夫?

画面に社名・個人名・URLなどが写っていないかを必ず確認してから投稿したい。仕事の相談に使っているアカウントなら、スクリーンショットではなくテキストを手打ちで抜き出すほうが安全だ。

ChatGPT以外のAIでも同じことはできる?

会話履歴を参照できる機能を持つチャットAIなら、ほぼ同じプロンプトで試せる。ただし記憶の仕組みはサービスごとに異なるため、精度や具体性には差が出る。複数のAIで比べてみると、それぞれの性格の違いも見えてくる。

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参考: ChatGPT’s five things I always say trend offers a peek inside your chats(Mashable)の内容をもとに、日本の読者向けに独自に構成しています。

Photo by Airam Dato-on on Pexels